ルアーコーティングとウエイト2

びっくりA

2022年01月06日 21:08

年明け前に書いたブログの続編です。

年も明け時間も経ってしまいましたが、よろしければお付き合い下さい。

前回はラパラH13のコピーを作ろうと、ウエイト位置と重さについて考察を話してきましたが、結論としてラパラはH13をノーウエイトのコーティングのみで作っていると考えます。

しかし、実際にバルサを同じような大きさに切り出し、ワイヤーを入れて重さを計っても、コーティングだけではなかなか本物の重さに近づけることは困難に思えます。



セルロースやウレタンクリアのドブ漬けで、ラパラと同じ重さを出すためには相当の回数を行う必要があります。

そこで、私はコーティングの手間を考えて、やむを得ず鉛のウエイトを入れることにしました。

前にハンドメイドミノーのHMKLを真似して作っていたときは、ウエイトをほぼ中央下側に配置して作りましたが、今回も同様の位置にウエイトを入れて作ろうと考えました。

HMKLを真似したルアーもなかなかのアクションと、キャストのしやすさが出せていたので、問題は無いでしょう。

ただ、なるべくH13に近づけるようにウエイトは極力少なくするようにします。



ウエイトは鉛のかみつぶし「大」1gを使用します。

ワイヤー、ウエイトを入れて削ったあと、セルロースに1回ドブ漬けしたときのブランク
の重さは6.04gでした。



これからコーティングでどれだけウエイトが増えるか検証していきます。

コーティングの重さは、表面積の大きさに比例して重くなると思われます。

表面積が一番小さいのは球体ですので、ミノーのような細長い形は比較的表面積が大きく、コーティングにより重さが増えやすい形だと思われます。

普段は、セルロースに3回ドブ漬けした後に、ウレタンに5回くらいドブ漬けして下地処理を終了しますが、今回はセルロースに10回ドブ漬けしました。

セルロースに10回ドブ漬けしたときの重さは7.34gでした。



セルロースドブ漬け1回あたり約0.14gの増加です。

これを利用すれば、コーティングの回数でウエイトをコントロールすることができます。

さらに下地処理を続けます。

今度はコーティングを1液ウレタンに変えてドブ漬けします。

ウレタン1回目のコーティングを終えたあとの重さは7.66gです。



ウレタン1回のウエイト増加は0.32gですが、ウレタンはコーティングを重ねる際に足付け(ヤスリで削る)をする必要があるため、単純にこのまま増加するとは言えません。

さらにコーティングを続けます。

足付けを行いながら、ウレタン5回コーティングしたときの重さは8.27gでだいたいH13のブランクのみと同じ重さになりました。



ウレタン1回あたりの重量の増加を平均すると(8.27-7.34)÷5 で約0.19gです。

ウレタンクリアの方がセルロースよりも増加が大きい結果となりました。

さらに、別のルアーでコーティングの効果を試してみます。

こちらは、フロントペラ系ルアーのブランクですが、ミノーよりもずんぐりとした形のため、表面積は小さく、1回のコーティングでのウエイトの増加量が少なくなると思われます。

コーティング前の重さは5.60gで、セルロース10回ドブ漬け後の重さは6.46gでした。





セルロースのドブ漬け1回あたり約0.09g増加です。

ウレタンにコーティングを変えてさらにコーティングを続けると、ウレタン5回目の重さは7.15gでした。



ウレタンは1回あたり約0.14gの増加量という結果になりました。

このようにコーティング1回あたりの重さの増加量を記録しておけば、できあがりのルアーのウエイトをコーティングの回数でコントロールできるようになるのです。



また、コーティングの回数を固定すると、最初に埋め込むことが必要な鉛の重さを計算することもできます。

こうやって作ったからといって、思い通りのアクションが出せる訳ではありませんが、自分の作ろうとするルアーの出来を、ある程度コントロールできるようになるのかなーと思います。

良かったら参考までに…