ついにロッドメイキングネタも30回目に突入!途中、番外編を2回やったので32回目の記事となりますが、今回でイエロージャケット風のロッドメイキングは最終回です。
ガイドをスレッドで固定する前に、ロッドとグリップを固定するための金具(物によってはプラスティック)を付ける必要があります。
今回は、オールドの富士グリップ用のフェルール(コネット)を接着しましたが、ロッドのバット径にあうサイズの物が無かったため、バットに飾り巻きのスレッドを巻き、1回コーティングをしてから接着しました。
今現在は、ブランクスルーのグリップが主流ですが、トップウォーターをする人はロッドとグリップが着脱できるものを好んで使います。
こうすることで、ひとつのグリップでロッドを変えて使用したり、同じロッドをグリップを変えて使用したりできます。
フェルールの種類は、あわせるグリップの数だけあるわけですが、私が使用しているのは大きく分けて2種類です。
ひとつはチャンピオンフェルールと言われる金属製のフェルールで、もうひとつは、オールドの富士グリップ用のフェルールです。
チャンピオンフェルール
富士グリップ用はグリップの年代により種類が何種類かありますが、チャンピオンフェルールは、グリップとの接合部分が、ほぼ同じ径になっていますので、ある程度は互換性があります。
私が持っているのはグラスアイ製のチャンピオンフェルールですが、これをつけることにより、チャンピオンタイプ、フェザーウエイトタイプなどの金属グリップにロッドを付けることができます。
また、オールドタイプだけでなく、各社から出ている最近の金属タイプのグリップにも付けることができますし、グラスアイの樹脂グリップはもちろん、ロベルソンの樹脂グリップも使えます。
また、コネクターを付けることにより、スミスのマグネシウムグリップも使えます。
特殊なケースとしては、ブライトリバーさんから発売されているチャンピオンフェルールアダプターを使用すれば、オールドの富士グリップも使えるようになりますし、今は閉店したシーブーンさんのオリジナル商品では、フェンウィックの通称白帯グリップと呼ばれる樹脂グリップに取り付けるためのコネクターもあります。
(※注 私は、グラスアイの金属グリップしか持っていませんので、上記は確認した上での紹介ではありません。適合に関しては各メーカー等に確認してください。)
これだけ見ていると、チャンピオンフェルールを付けていれば間違い無いように思いますが、オールドの富士グリップを使う時には、チャンピオンフェルールアダプターを1個5000円くらいで購入する必要があります。
また、オールドの富士グリップは年代によりいろいろなフェルール(コネット)がありますが、チャンピオンフェルールアダプターはそのうちの2種類にしか対応していません。(2種類買う必要あり)
私は最近金属製のグリップを使うことが少なくなって、もっぱらオールド富士などの樹脂グリップを使用しています。
今回のロッドも富士グリップ専用のコネットを付けましたが、これを付けてしまうと富士グリップ以外には付けられなくなるかわりに、チャンピオンフェルールアダプターで取り付けるよりも、グリップ内部にロッドブランクが入り込む形になる分、強度や性能がアップするのでは無いかと思います。
まあ、チャンピオンフェルールアダプターを持っていないのと、富士グリップ専用のコネットが比較的安価で手に入るのが主な理由で、あくまでも推測ですが…
私が知っている限りの知識で、オールド富士グリップとコネットを紹介すると、
Aコネット
初期の差し込み式の富士グリップや、フェンウィック白帯の差し込み式グリップに使用できます。
また、ヘッドキャップ付きのCOHにも使用できます。
AAコネット
ヘッドキャップ付きのCOH専用です。
革張り風の型押しが懐かしく、何とも味わいがあります。
上がNA、下がGA
NAコネット
(写真はNA-GAアダプター)
ヘッドキャップ式のNGH-15グリップに使用。
GAコネット
同じくNGH-12グリップに使用。NA-GAアダプターを付けることによりNGH-15のグリップにも使用可能。ただしNA-GAアダプターは接着する必要あり。
私はNGH-15タイプのグリップは持っていませんが、NGH-15は他のグリップのように傾斜タイプではなく、ストレートタイプになります。
ここで紹介しているコネットはすべて廃盤となっていますので、新品では購入できません。
昔からある釣具屋さんにはまだ置いてあるところがあるかも知れませんが、私の地元の釣具屋さんにはありませんでした。
一部のネットショップで、デットストックのものを販売しているところもありますが、ここでは紹介するのを差し控えたいと思います。
今回のロッドに使用したコネットは前にも紹介したとおりAコネットです。
これを付けることにより、私が持っているグリップの2種類が使えるため、一番併用制があります。
ロッドによってはNGH-12を使いたくなるものもありますので、その時はNAコネットを選択します。
AAコネットは少し高価であるためほとんど使用せず、スピードスティックの修理用部品として取っておきます。
フェルールを選択したらブランクと接着しますが、接着剤はエポキシ系2液混合接着剤の30分硬化型を使用します。
フェルールの内径とブランク径があわない場合は、スレッドなどで肉盛りをしてから接着します。
接着する時の注意点は、接着剤が余計なところに付かないようにマスキングテープを巻いておくことと、フェルールの中にブランクを差し込むときに空気を抜きながら差し込むことです。
接着剤の粘度が高いので、なかなか空気が抜けないのですが、空気を抜かないままブランクを奥まで差し込むと、ピストンのように圧縮された空気がブランクを押し戻すため、うまく接着ができません。
富士グリップ用のコネットはおしりに穴が開いているので良いですが、チャンピオンフェルールを接着するときは、必ず空気を抜きながらブランクを差し込むようにします。
ブランクを奥まで押し込んだら、接着面がずれないようにマスキングテープなどで固定して、丸一日以上乾燥させます。
今回のロッドの場合は、最初に書いたとおりバットの飾り巻きを1回コーティングしてからコネットを接着しました。
コネットを接着したあとに、2回目のエポキシコーティングをして仕上げました。
長期に渡って書いてきたロッドメイキングネタも、30回目のきりのいいところで終了とさせていただきます。
素人の自己流ロッドメイキングですので、仕上がりはそこそこです。
ただ、こうして新しい道具を作ることで、次の釣りへ行くモチベーションがあがるのです。
新しい道具を買うことと似ていますね。
ここまでで書けなかったことは、また別の機会で紹介していこうと思います。