2016年09月28日
ルアーメイキング1 ー序章ー
最近、朝晩めっきり涼しくなってきて、すっかり秋らしい気候になってきました。
夏場のうだるような暑さの中、冷房の無い小部屋の中での作業は、朝イチの涼しいうちしかできなかったため、すっかりハンドメイドがおろそかになっていました。
ここらで、来シーズンに向けたルアー作りでも始めようかと思い、それに合わせてブログでもルアーメイキングの記事を連載しようと思います。
新しいルアーを作りながら、日々の作業行程にあわせて作り方の解説を入れていこうと思いますが、なかなか先に進まないかもしれませんのでご了承ください。
今年用に昨年オフに作ったルアー
今回は序章ということで、いかにして私がハンドメイドルアーと係わってきたのか、また昔話になりますが良かったらお付き合いください。
始めに断っておきますが、私のハンドメイドルアーは趣味の範囲で、売り物になるようなルアーを作っている物ではありません。偉そうなことを書くかもしれませんが、知識の大半がよそからの受け売りで、作っているルアーもパクリ物が多いですのであしからず…
では、はじまりはじまり…
私がルアー作りを始めたのはおそらく中学生の頃だと思います。もしかすると小学生の頃から作っていたのかもしれませんが、記憶も作品も残っていないのでわかりません。
作品が残っていないことからもわかるように、その頃のルアー作りの腕前は大したことなく、自分で作ったルアーで魚を釣ったこともありませんでした。
ではなぜルアーを作っていたかというと、答えはひとつ「ルアーが買えないので自分で作ろうと思った」からです。
その頃のバス用ルアーはダイワのもので500円位、ヘドンなどのアチャラ物だと1000円以上したのでしょうか?子供のお小遣いではなかなか手が出ないものでした。
ところが、バルサ板は100円程度で買えたので、これを削ってルアーが作れれば良いと思ったのです。
もっとも、売っているルアーでもほとんど魚を釣ったことが無い頃でしたので、どのルアーがどんな動きをするのかもわからないまま、雑誌で見たルアーの形をまねて作っているだけでした。
今でもハンドメイドルアーを作る理由は、「買えないから自分で作る」ですが、さすがに「お金が無くて」では無く、人気で売っていないからとか、売っている物で満足できないからというのが理由です。
まあ、自分で作る方が安上がりと思っているのも事実ですが…
最初の頃に作っていたのは、ミノーとかクランクベイトのようなリップのあるもので、プラカラーで色を塗って、ニスで光沢を出して仕上げていたと思います。
小学校から中学校にかけては、ちょうどプラモデルもブームとなっていましたので、その延長でルアー作りも入りやすかったのかもしれません。いわゆるガンプラブーム。
今考えれば、リップ付きの一番作るのが難しいルアーに最初から手を出していたんだなと思います。
第一期のルアー作りは高校卒業する位まで続きます。その頃バイブルとしていたのがこの本です。
ザ・ミノーメイキング
リベットの制作者である平本正博さんのまとめたルアー作りのマニュアル本で、ハンクルの泉さん、ムラセミノーの村瀬さん、ナベミノーの渡辺さんがそれぞれのハンドメイドミノーの作り方を解説しています。
中でも、ハンクルのハンドメイドミノーは美しく、こんなルアーが作りたいと思いながら必死に作っていました。
ハンクルミノー
この頃も自作のルアーでは魚を釣ったことがありませんでしたし、作品も残っていませんが、少なからずルアー作りのスキルは身についていたと思います。
この本で紹介されているセルロースセメントというクリア塗料と、どぶ漬けという技法は目からウロコで、筆塗りではできない艶のある仕上がりにすることができました。
また、木工用のヤスリでアルミホイルにウロコ模様を付けたり、下地に塗ったセルロースセメントを薄め液で溶かしてアルミホイルを貼ったりと、今まで知らなかった技術が惜しげも無く書かれていました。
私もさっそく近所の釣具屋で、「セルロースクリア」なるルアー作り用のクリア塗料と薄め液を購入。
セルロースセメントという名前で無かったのが気がかりでしたが、たぶん成分はほとんど同じもので、湿気により白濁するのも本に書いてある特徴どおりでした。
この本とセルロースクリアを手に入れたことにより、ルアーの下地作りまでは上手くできるようになりました。
しかし、どうしても仕上げの段階で失敗してしまうため、完成品としての作品が残っていないのです。
仕上げの塗装を上手くするためには、手に入れなければならない道具があります。
それは、エアブラシです。
私は最初、タミヤの塗料ボトルが下につくエアブラシを使っていました。
友達からもらったそのエアブラシは、浸透圧を利用してボトルの塗料をノズルの先に吸い
上げ、エアーで散らしながら吹き付ける方式のものでした。
これでも調子のいいときは上手く吹き付けられるのですが、調合した塗料が多くないと吸い上げが悪かったり、ノズルがすぐに詰まったり調整が難しかったりして、なかなか上手くいきませんでした。
そこでオリンポスの上部カップ式のエアブラシを購入して、塗装をするようにしました。
エアボンベ式でシングルアクションのエアブラシでしたが、べた塗りや、マスキングをしての模様付けなどの塗装は上手くできたので、塗装の仕上がりはまずまず満足のいくものでした。
ある程度満足のいく塗装ができるようになり、いよいよ最後の仕上げのトップコートで艶をだす行程ですが、この本に書かれている手順どおりにやるとトップコートはセルロースセメントのどぶ漬けで仕上げることになっています。
下地処理の時に出たどぶ漬けによる艶が、トップコートにも出せるならばそれで仕上げたくなるのが人情です。
しかし…
「この本に記載されている内容にはいくつか間違いがある」と言っている人が何人かいるように、私もセルロースセメントのどぶ漬けではトップコートはできないと思っています。
それは…そう。せっかく塗った塗装が「色流れ」するからです。
最初はプラカラー用の薄め液が原因だと思って、本に書いてあるとおりラッカーシンナーを買って使ってみました。
ラッカーシンナーはホームセンターに売っていなかった(当時)ため、近所の塗料屋さんに行って買ってきました。
「あんパン」と呼ばれるシンナー遊びが流行っていた頃ですから、すごく疑いの目で見られたのを覚えています。
ちなみにホームセンターで売っているのはラッカー薄め液で、第2石油類で引火点が高いものです。
「ホームセンターに売っているラッカー薄め液と最近使っているセルロースセメント」
第1石油類のラッカーシンナーに比べると、においが鼻に残って頭が痛くなりますが、ラッカーシンナーはにおいもすっきりとして頭も痛くなりません。(やってませんよ!)
灯油とガソリンのような違いです。
そう、話が横道にそれましたが、この本によると、塗装する塗料をラッカーシンナーで薄めて塗れば、どぶ漬けしても色流れはしないように書いてありますが、私は何度やっても色流れを防ぐことはできませんでした。
書かれている内容が間違いとは言いませんが、私には真似できませんでした。
どぶ漬けでのトップコートが上手くいかなければ、エアブラシで吹きつけて仕上げるしかありませんが、どぶ漬けしたときの厚く艶々した仕上がりにはほど遠いできとなります。
もう一つセルロースセメントのトップコートでの問題は、セルロースセメントが「硬化したあとも溶剤に犯される」ことにあります。
シンナーなどの溶剤はもちろんのこと、ワームオイルなどにも犯された記憶があります。
また、タックルボックス内のホコリや汚れなどを拾って、表面の艶がすぐに無くなってしまいます。
セルロースセメントのトップコートで仕上げたルアーが、作品として残っていないのは、すぐに汚くなってしまって使わなくなったことも原因のひとつかもしれません。
話が長くなりましたので、まさかの… 序章がつづく…
夏場のうだるような暑さの中、冷房の無い小部屋の中での作業は、朝イチの涼しいうちしかできなかったため、すっかりハンドメイドがおろそかになっていました。
ここらで、来シーズンに向けたルアー作りでも始めようかと思い、それに合わせてブログでもルアーメイキングの記事を連載しようと思います。
新しいルアーを作りながら、日々の作業行程にあわせて作り方の解説を入れていこうと思いますが、なかなか先に進まないかもしれませんのでご了承ください。
今年用に昨年オフに作ったルアー
今回は序章ということで、いかにして私がハンドメイドルアーと係わってきたのか、また昔話になりますが良かったらお付き合いください。
始めに断っておきますが、私のハンドメイドルアーは趣味の範囲で、売り物になるようなルアーを作っている物ではありません。偉そうなことを書くかもしれませんが、知識の大半がよそからの受け売りで、作っているルアーもパクリ物が多いですのであしからず…
では、はじまりはじまり…
私がルアー作りを始めたのはおそらく中学生の頃だと思います。もしかすると小学生の頃から作っていたのかもしれませんが、記憶も作品も残っていないのでわかりません。
作品が残っていないことからもわかるように、その頃のルアー作りの腕前は大したことなく、自分で作ったルアーで魚を釣ったこともありませんでした。
ではなぜルアーを作っていたかというと、答えはひとつ「ルアーが買えないので自分で作ろうと思った」からです。
その頃のバス用ルアーはダイワのもので500円位、ヘドンなどのアチャラ物だと1000円以上したのでしょうか?子供のお小遣いではなかなか手が出ないものでした。
ところが、バルサ板は100円程度で買えたので、これを削ってルアーが作れれば良いと思ったのです。
もっとも、売っているルアーでもほとんど魚を釣ったことが無い頃でしたので、どのルアーがどんな動きをするのかもわからないまま、雑誌で見たルアーの形をまねて作っているだけでした。
今でもハンドメイドルアーを作る理由は、「買えないから自分で作る」ですが、さすがに「お金が無くて」では無く、人気で売っていないからとか、売っている物で満足できないからというのが理由です。
まあ、自分で作る方が安上がりと思っているのも事実ですが…
最初の頃に作っていたのは、ミノーとかクランクベイトのようなリップのあるもので、プラカラーで色を塗って、ニスで光沢を出して仕上げていたと思います。
小学校から中学校にかけては、ちょうどプラモデルもブームとなっていましたので、その延長でルアー作りも入りやすかったのかもしれません。いわゆるガンプラブーム。
今考えれば、リップ付きの一番作るのが難しいルアーに最初から手を出していたんだなと思います。
第一期のルアー作りは高校卒業する位まで続きます。その頃バイブルとしていたのがこの本です。
ザ・ミノーメイキング
リベットの制作者である平本正博さんのまとめたルアー作りのマニュアル本で、ハンクルの泉さん、ムラセミノーの村瀬さん、ナベミノーの渡辺さんがそれぞれのハンドメイドミノーの作り方を解説しています。
中でも、ハンクルのハンドメイドミノーは美しく、こんなルアーが作りたいと思いながら必死に作っていました。
ハンクルミノー
この頃も自作のルアーでは魚を釣ったことがありませんでしたし、作品も残っていませんが、少なからずルアー作りのスキルは身についていたと思います。
この本で紹介されているセルロースセメントというクリア塗料と、どぶ漬けという技法は目からウロコで、筆塗りではできない艶のある仕上がりにすることができました。
また、木工用のヤスリでアルミホイルにウロコ模様を付けたり、下地に塗ったセルロースセメントを薄め液で溶かしてアルミホイルを貼ったりと、今まで知らなかった技術が惜しげも無く書かれていました。
私もさっそく近所の釣具屋で、「セルロースクリア」なるルアー作り用のクリア塗料と薄め液を購入。
セルロースセメントという名前で無かったのが気がかりでしたが、たぶん成分はほとんど同じもので、湿気により白濁するのも本に書いてある特徴どおりでした。
この本とセルロースクリアを手に入れたことにより、ルアーの下地作りまでは上手くできるようになりました。
しかし、どうしても仕上げの段階で失敗してしまうため、完成品としての作品が残っていないのです。
仕上げの塗装を上手くするためには、手に入れなければならない道具があります。
それは、エアブラシです。
私は最初、タミヤの塗料ボトルが下につくエアブラシを使っていました。
友達からもらったそのエアブラシは、浸透圧を利用してボトルの塗料をノズルの先に吸い
上げ、エアーで散らしながら吹き付ける方式のものでした。
これでも調子のいいときは上手く吹き付けられるのですが、調合した塗料が多くないと吸い上げが悪かったり、ノズルがすぐに詰まったり調整が難しかったりして、なかなか上手くいきませんでした。
そこでオリンポスの上部カップ式のエアブラシを購入して、塗装をするようにしました。
エアボンベ式でシングルアクションのエアブラシでしたが、べた塗りや、マスキングをしての模様付けなどの塗装は上手くできたので、塗装の仕上がりはまずまず満足のいくものでした。
ある程度満足のいく塗装ができるようになり、いよいよ最後の仕上げのトップコートで艶をだす行程ですが、この本に書かれている手順どおりにやるとトップコートはセルロースセメントのどぶ漬けで仕上げることになっています。
下地処理の時に出たどぶ漬けによる艶が、トップコートにも出せるならばそれで仕上げたくなるのが人情です。
しかし…
「この本に記載されている内容にはいくつか間違いがある」と言っている人が何人かいるように、私もセルロースセメントのどぶ漬けではトップコートはできないと思っています。
それは…そう。せっかく塗った塗装が「色流れ」するからです。
最初はプラカラー用の薄め液が原因だと思って、本に書いてあるとおりラッカーシンナーを買って使ってみました。
ラッカーシンナーはホームセンターに売っていなかった(当時)ため、近所の塗料屋さんに行って買ってきました。
「あんパン」と呼ばれるシンナー遊びが流行っていた頃ですから、すごく疑いの目で見られたのを覚えています。
ちなみにホームセンターで売っているのはラッカー薄め液で、第2石油類で引火点が高いものです。
「ホームセンターに売っているラッカー薄め液と最近使っているセルロースセメント」
第1石油類のラッカーシンナーに比べると、においが鼻に残って頭が痛くなりますが、ラッカーシンナーはにおいもすっきりとして頭も痛くなりません。(やってませんよ!)
灯油とガソリンのような違いです。
そう、話が横道にそれましたが、この本によると、塗装する塗料をラッカーシンナーで薄めて塗れば、どぶ漬けしても色流れはしないように書いてありますが、私は何度やっても色流れを防ぐことはできませんでした。
書かれている内容が間違いとは言いませんが、私には真似できませんでした。
どぶ漬けでのトップコートが上手くいかなければ、エアブラシで吹きつけて仕上げるしかありませんが、どぶ漬けしたときの厚く艶々した仕上がりにはほど遠いできとなります。
もう一つセルロースセメントのトップコートでの問題は、セルロースセメントが「硬化したあとも溶剤に犯される」ことにあります。
シンナーなどの溶剤はもちろんのこと、ワームオイルなどにも犯された記憶があります。
また、タックルボックス内のホコリや汚れなどを拾って、表面の艶がすぐに無くなってしまいます。
セルロースセメントのトップコートで仕上げたルアーが、作品として残っていないのは、すぐに汚くなってしまって使わなくなったことも原因のひとつかもしれません。
話が長くなりましたので、まさかの… 序章がつづく…