ナチュログ管理画面 バスフィッシング バスフィッシング 北陸・甲信越 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2016年05月18日

レベルワインダー

マグネットブレーキの話をする前に、2500Cの話をもう少し。

最近のベイトリールの多くが、レベルワインダーを動かすためのギアがハンドル側についています。

これは、クラッチを切ってキャストするときに、スプールだけをフリーにして回すためで、またクラッチを入れるとレベルワインダーが左右に動き出します。

キャストの時にラインが放出される抵抗だけを考えると、レベルワインダーの狭い部分をライン が通ることは、非常に抵抗があるように感じられ、レベルワインダーが無ければ抵抗はほとんど無くなると考えられます。

しかし、実際レベルワインダーを無くすことは無理なので、この抵抗は仕方ないものとなっています。

メーカーはこの問題に色々と対策を考えていて、最近ではダイワのT3などに、これに対応するシステムが見られます。

まあ、私の最近のタックルに対する知識はカタログから見るものしかないので、実際に使ったことはありません。

昔のタックルにもこの問題の対策を考えたものがあります。

レベルワインダー

画像左はファントムトーナメントSS-15ですが、このシリーズにはゼロレベルというシステムがあり、クラッチを切るとレベルワインダーが2つに別れて左右に開き、ライン放出抵抗を無くすことができます。

クラッチを入れると、レベルワインダーが動き出し、左右に分かれたパーツが合わさってまた1つになります。

画像右のAbuウルトラマグシリーズには、クラッチを切ると、レベルワインダーを押さえていたピンのようなものが外れて、レベルワインダーがフリーに動くようになり、ライン放出抵抗を押さえるシステムがついています。

この他のリールにも同じような対策をしたものがあるかもしれませんが、私は知りません。

しかし、この手のシステムは思ったほどの効果が無かったのか、システムを組むためにパーツが増え、自重が増え、しかもトラブルが発生したりと、後に残るようなものは出来ませんでした。

現在ではT3により解決されたのかもしれませんが、この問題は永遠のテーマだったのです。

レベルワインダー

一方、2500Cを含むAbuの丸型リールの多くが、レベルワインダーを動かすためのギアがパーミングカップ側に付いていて、クラッチを切ってキャストするときも、スプールと同調してレベルワインダーも動きます。

Abuが何を考えてこうしたのかは分かりませんが、レベルワインダーのライン放出ロスを考えた時には、巻き取った時と逆にレベルワインダーが動いて行くのですから、レベルワインダーは常に放出されるラインの位置にあるため、抵抗は少なくなると考えられます。

6000番台などの幅広リールなどでは、効果は顕著に出るでしょう。

しかし…  です。

レベルワインダーがスプールと同調して動くと言うことは、クラッチを切っても完全にスプールがフリーならないので、それ自体が抵抗となるということです。

この抵抗 を少なくするために、ベアリング入りのレベルワインダーの軸を支えるパーツや、ベアリング入りのコグホイルなどが社外パーツで売られているのです。

これにより、ある程度抵抗は軽減出来るでしょうが、ゼロにはならないため、現代のリールに比べると、スプールをフリーにしたときの回りかたは雲泥の差です。

しかし、いくらスプールがフリーに良く回ったとしても、その分ルアーが飛んで行く訳ではありません。

ルアーが飛んで行くスピードを上回って、スプールが良く回った場合…
そうです。待っているのはバックラッシュです。

そうならないために、ベイトリールにはキャストコントロールがあり、マグネットブレーキや遠心ブレーキが付いているわけです。

Abuの丸型リールがキャストするときに、レベルワインダーが一緒に動くことは、悪く言えば抵抗、良く言えばほどよいブレーキとなるわけです。

いまだにAbuの丸型リールが昔のままこの辺を変えずに作り続けているのは、レベルワインダーがブレーキとしての役割をバランス良く行っているからかも知れません。




このブログの人気記事
不良中古品にご用心
不良中古品にご用心

ハンドメイドアイテム強化
ハンドメイドアイテム強化

今年はこれです!
今年はこれです!

2021釣りシーズン開幕!
2021釣りシーズン開幕!

同じカテゴリー(マイタックル)の記事画像
今年はこれです!
ヒックリジョーマグナムダブルフック
ヒックリジョーマグナム
モラムSXのライン選択
今度はこれです!
ルアーメンテナンスと柔道大会
同じカテゴリー(マイタックル)の記事
 今年はこれです! (2020-11-28 08:31)
 ヒックリジョーマグナムダブルフック (2020-01-26 11:07)
 ヒックリジョーマグナム (2020-01-23 12:56)
 モラムSXのライン選択 (2019-10-19 10:49)
 今度はこれです! (2019-10-11 18:13)
 ルアーメンテナンスと柔道大会 (2019-09-09 19:29)
この記事へのコメント
こんばんは。4000、5000番台を複数愛用しています。
「ABUがなぜ連動式レベルワインダーというケッタイな構造を採用したんだろう。」
わたしもずっと不思議に思っていました。今の所独自研究ですが、
「アンバサダーのメインブレーキは遠心ブレーキではなく、連動式レベルワインダーである。」
「ブレーキ力はコグホイールへのグリスの塗布の仕方にて調整する。」
「アンバサダー以前のレコードダイレクトリールはメインギアがコグホイールのように2段のギアになっており、右プレートの中で連動式レベルワインダーとハンドルの回転抵抗+グリスの粘性でブレーキを掛けていた。アンバサダーはこのメカニズムを左右のプレートに振り分けて設計した。」
となります。
アフターパーツでBB入コグホイールレベルワインダーが売られていることから、今までIOS01オイルを塗布しなるべく抵抗のないようにしていましたが、あるときアンバサダーの取説を見るとコグホイールはグリス塗布指定となっているのに注目しました。あえて粘度(ちょう度)の高いシマノのグリスを塗布してみましたら、キャスコンゼロ調整でクラッチを切ってルアーがゆっくり落ちる程度になりました。そして遠心ブレーキに頼らずキャスコンを締めずともトラブルなく、アベイルマグネットブレーキのような伸びのあるキャストフィーリングを得ることができました。グリスは静止状態で固体ですが、回転数が上がると流体になり、回転が落ちるとまた固体に戻るという可塑性がキャストの開始と終盤に丁度いいブレーキ力を発揮するようです。
コグホイールに多めに塗布してしまいブレーキ力が多いなと思ったら、歯ブラシでグリスを拭い取って弱めるといった微調整もできるようになりました。遠心ブレーキなしでキャスト時に少し糸がふける程度にグリスを塗布し、そこから遠心ブレーキブロックを付けてベストに持っていくようにしています。
また色々試しているうちに新たな発見があるかもしれません。
アブの設計者に聞かないと正解はわかりませんが、ダビンチコードを読み解くみたいで面白いです。
Posted by 中年大使 at 2021年03月14日 20:36
中年大使さま
はじめまして!
コメントありがとうございます。
面白い独自の考察で、参考になりました。
私はそこまで深く考察したことは無いのですが、Abuのレベルワインダーは重要なブレーキの役割りをしていると思います。
遠心ブレーキはサブ的なもので、前の記事にも書いたように2500Cではむしろトラブルの原因となるものと考えています。
実際、同じ時代のレベルワインダーが連動しない国産リールと比べても、Abuのほうが使い勝手がいいと思います。

中年大使さまこれからもヨロシクお願いします。
Posted by びっくりAびっくりA at 2021年03月17日 12:42
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
レベルワインダー
    コメント(2)